美容医療では、肌の再生を促す「微細針(マイクロニードル)」を用いた施術が主流になりつつあります。代表的なのが、薬剤導入も可能なマイクロニードルRFと、純粋に物理的刺激で肌再生を促すダーマペン(マイクロニードリング)です。
特に「RF(高周波)による出血抑制効果」は大きな違いとして注目されています。この記事では、両者の仕組みから効果、ダウンタイムの差までを解説します。
1. ダーマペン(マイクロニードリング)とは?
- 仕組み
先端に多数の極細針を持つペン型のデバイスを肌に垂直刺入し、「微小な創傷」を意図的に作ることで、自然な創傷治癒機構を活性化。コラーゲン・エラスチンの生成を促し、肌のハリやキメを整えます。 - メリット
- 電気やRFを使わないため、シンプル構造で導入コストが低め
- 針深度(0.2~2.5mmなど)をカートリッジで細かく設定可能
- ニキビ跡、毛穴の凹凸、小ジワなどの改善に有効
- デメリット
- 物理的に穴を開けるだけのため、出血が出やすくダウンタイムが長め
- 薬剤導入は併用塗布のみで、真皮深層への浸透は限定的
- 刺激による痛みや赤みが強く出る場合がある
2. マイクロニードルRFとは?
- 仕組み
ダーマペン同様に極細針を刺入しますが、さらに針先からRF(高周波)エネルギーを照射。
熱と微細針の創傷治癒機構を融合させることで、コラーゲン増生を強力に誘導します。 - RFの出血抑制効果
高周波の熱作用には「血管の一時的な収縮・止血作用」があり、刺入による出血・内出血を大幅に抑えることが可能。
ダーマペンと比べると、赤みや腫れが短時間で改善しやすく、ダウンタイムが短縮されます。 - メリット
- 出血・内出血が少なく、施術当日の外出やメイク再開が早い
- 真皮深層まで熱を届けることで、即時的な引き締め効果と長期的なコラーゲン再生を両立
- 薬剤導入チップ搭載機種なら、成長因子や美白剤を均一に真皮層まで注入可能
- デメリット
- 機器コスト・ランニングコストがダーマペンより高価
- 治療深度やエネルギー設定には高度な技術が必要
- 熱ダメージへの十分な知識と安全管理プロトコルが求められる
3. 出血抑制を含むダウンタイム比較
項目 | ダーマペン | マイクロニードルRF |
---|---|---|
出血量 | 多め(針深度によっては点状出血) | 少なめ(RFの止血作用あり) |
赤み・腫れ | 1〜3日程度持続 | 数時間〜24時間程度 |
かさぶた | 多発しやすい(3〜7日で剥離) | できにくい、または小範囲 |
メイク再開 | 目安:1〜3日後 | 目安:当日または翌日以降 |
RFの熱による「血管収縮」と「タンパク凝固効果」が創傷部の止血をサポートし、ダーマペンに比べて圧倒的にダウンタイムを短縮できる点が大きな差です。
4. どちらを選ぶべき?選択のポイント
- ダウンタイム重視
仕事や予定が詰まっていて、赤みやかさぶたをできるだけ早く抑えたいなら、マイクロニードルRFが有利。 - コスト重視
まずはお手頃な導入費・治療費で試したい場合は、ダーマペンが導入しやすい。 - 薬剤導入ニーズ
成長因子やビタミンなどの有効成分を深層まで確実に届けたい場合は、RF搭載のドラッグデリバリー機能付き機器を検討。 - 治療対象・部位
顔全体のキメ改善や毛穴縮小にはダーマペン、たるみやリフトアップ、肝斑治療を含む本格エイジングケアにはマイクロニードルRFが適するケースが多い。
まとめ
ダーマペンとマイクロニードルRFは、いずれも肌再生を目指す微細針治療ですが、RFによる出血抑制・止血効果と熱刺激の相乗作用があるかどうかが大きな違いです。
ダウンタイムを短縮しつつ、より高いリジュビネーション効果を目指すならマイクロニードルRFが有利。
一方、導入コストを抑えてまずは肌質改善の実感を得たいならダーマペンも選択肢となります。
クリニック様は、患者様のライフスタイルや肌悩み、予算に応じて最適な施術プランを提案していきましょう。