医者の給料詳細!2021年平均給与でみる勤務医と開業医の違い、コロナ禍の開業
出演:
・医療特化の税理士 中村 節子(中村会計事務所 代表)
・江戸堀サンテクリニック 古谷 鉄夫 院長
中村: 今、最新の厚労省のデータ 令和元年(医療経済実態調査)分の平均が出ているんですけど、これは完全コロナ禍
古谷:コロナ前ですよね
中村: 多分 勤務医の給料もコロナ前ですよね
古谷: そうです
中村: 大体データを見ると勤務医の平均給与が1300 とか 1400(万円位)で出ているんですけど
古谷: ただ、恐らく ほとんどの先生はアルバイトをしてると思うんですよ
それが多分プラスアルファ どれ位あるか?僕もよくわかりませんけど
中村: どれ位頑張るか次第?
古谷: そう
中村: 夜も寝ないで。
古谷: 稼いでいる先生は結構、稼いでいると思うんです
中村: そうですね。ちょっといい所へ行けば。というか都心部と郡部では大分違うみたいで。
そこで頑張っていって、今までだったらちょっと頑張れば2000(万円)位はいけるのかな?
古谷: そうですね。総支給額でそれ位はいっている先生は多いんじゃないですか?
中村: ただ、コロナ禍で、行ける場所が減ってきました
古谷: アルバイトが減っている先生が多いというのは聞いています
中村: そうですね、アルバイト先が減るし、ちょっと(時間給を)下げて欲しい。
国公立だと上げろ下げろはないんですが、枠が減ったり、打ち切りとか 民間でしたら下げて。
という話も出てきているようですね。
取りあえずは2000(万円)は頑張ると仮定した場合の勤務医の先生と
令和元年度の厚労省の医療経済実態調査の数字と比べてみますと、
例えば勤務医の先生2000万円収入がありました、
暫定一番メインのところから1000万円とアルバイトで1000万円合計 2000万円として、
前提条件 先生46歳
今から開業しようか?それともこのままいこうか?
というお年でお子さんが12歳と10歳 二人いると仮定した状態
で、税金の計算をしてみると
2000万円の収入金額がありますけれど、
社会保険が病院に勤務されていましたら、
1000万円の年俸で12(ヶ月)で割って基準にすると大体131万円位は
古谷: 年間ですね?
中村: 厚生年金と健康保険で給料から天引きですよね。
で所得税が386(万円)住民税が161(万円)まあ所得控除は社会保険料だけで計算していますが
子供の控除もできないし。っていうんで、
手取りでいくと1322(万円)というのを一応(申告書を)書いてみた。
月で100(万円)強
古谷: ちょっとですね。
中村: そうなると、住宅ローンがあったりとか
子供さんもこれから12歳なら私学の中学に行こうかとか言い出すと、ちょっときついかなぁ
古谷: 結構厳しいですよね
中村: 別に 爪に火をともして暮らせとは言いませんが。そんなに。あれっ?
これだけ働いてこれ位?というお話はよく
古谷: 余裕のある生活ではなさそうです。
中村: そうですね。何かとても嫌な気分になるような金額になるようです。
では、令和元年実施の厚労省の、すべての無床のクリニックの平均の所得金額から
算定してみましたら2370(万円)というのが利益、
奥様に400(万円)位、専従者給与を出していると仮定しての平均値かな?と
そうなると、所得税、住民税、社会保険 今回社会保険は先生は医師国保ではなくて
医師会に入らずに市町村の国民健康保険にはいる、後は国民年金に奥様と2人入りますという
仮定でいくと 込々引いて先生の手取りが1440(万円)で、奥様に400(万円)出しているんで、
奥様の手取りが364(万円)とすると (合計)1800(万円)強位が
古谷: なるほど
中村: 手残りかなっていう感じですよね。
じゃあ2000万円の勤務の先生と開業した平均の先生と比べると482万
まあ500(万円)位が開業医の先生の方が手残りが多いかな。
500(万円)だから10年だと5000万円多くなるわけなんでそれ位はいけるかな?
古谷: 平均してですよね
中村: だからもっと自分は上げられる。真ん中って事はない。
という先生については、もっと手残りが上がるでしょうし、
ご自身の頑張り次第で
古谷: 科のもよるかも知れませんしね。
中村: 勤務の先生はもうこれ以上頑張るって言っても、寝る時間なくなっちゃうんで、
これ以上はきついと思うと、やはり開業医の先生の方がいいのかな?とは思います
古谷: そうですね。時間にはまだ余裕ができそうな気がします。
中村: そうですね。ご自身の行きたい研修会とか学会とかも行けるでしょうし、
当然経費で落ちると
古谷: そうですね
中村: 本も交際費も経費に落ちます。というところ
古谷: 差額以上に経費をかなり使っているんで、
それをプラスするとさらに大きな差にはなると思うんですけど
中村: そうですね。
古谷: ただ逆に、雑用がすごく増えます。
中村: もうちょっと寝られるかと思うと。当直に行っている分(の時間)が雑用に回って。
あまりゆっくりは寝られませんよね
古谷: 雑用が増えるんでゆっくりは寝られませんよね。
中村: でもどっちかと言えば雑用の方が雑用なんで、楽かな?と思います。
古谷: そうですね。
中村: それと開業医の先生ですと(事業資金を)借りちゃっているんで、
手残りが1800(万円)あったとして、ここからお金を返していくという話は出てきますけど
所得金額(利益)は減価償却っていう経費をどけた後の利益になっているんで。
減価償却費っていうのに関しては (例えば)レントゲンの減価償却費
っていうのを毎月誰かが集金に来るわけじゃない。
これはもう買ってしまった分の経費化なんで。
じゃあ減価償却費相当で借入金を返済して下さい。という事。
それ位の計画を立てておかれればそんなに大きく狂わないかと思います。
ここからまだコロナは相当続く
古谷: そうですね。まだしばらく続くでしょう
中村: どっちに動くかはわからなくって「さあ、表にでようか?」って思われても、先生は
なかなか ふんぎりもつかず。かといってこのままじっとしていても(所得は)増えそうにもない。
古谷: (アルバイトの)仕事も確かに減っているとは聞いていますんで
中村: そうですね。だから出す(開業)んであれば、どこまで待っても次に何かがくるし、
保険診療の改定はくるし、上げるはないし 税金もあがるでしょうし
古谷: もちろん上がりますよね。コロナの復興税みたいなのが
中村: そうですね。
震災復興税がまだあるなか、それにコロナ復興税がのっかってくるでしょうし
それなら、悩んでいる先生なら、リスクを小さくして開けるのはありかなと
古谷: そうですね。先生次第にはなりますけど、
出来る先生であれば僕はもう開業した方がいいんじゃないのかな。と思っています。
中村: そうですね。いま月100万円というのが2000万円の総収入ありました。というので
あれば、一生やっていくのか?当直をやったまま。それとも出てみるか
古谷: そうですね。勤務医であれば自分の工夫次第で給与を増やせるわけでは全くない。
後は頑張ってバイトを増やすだけしかないと思うんですよ
中村: そうですね。ここはある程度自信のある先生。
どっちにしよう?位に思っている先生なら
古谷: 開業は自分の努力次第、工夫次第で患者さんを増やせますし。
単価も上げられるので。
やり方は色々あると思うんです。
中村: そうですね。これまでの様に保険診療だけをじっとやっているっていうんであれば、
ひょっとしたら2000万円。当直をやり続けるのもありかも知れませんが
古谷: ただやっぱり、現状に満足していて今のままで同じ診療をしていたい。と思われる先
生は勤務医の方がいいと思うんですよ
中村: リスクもないし
古谷: そうです。リスクもないし、安定していますし。
中村: そうですね。勤務医でマイナスはあり得ない。それから先生の御性格にもよりますが、
(開業を)考えていらっしゃるならせっかくドクターというお仕事を選ばれたんですから、
もちろん勤務で専門性を追求したものでやって行きたい。というのであれば
それもドクターという(仕事を)選んだひとつですが、頑張って自分の目指す生活を
してみる。というのもひとつ目標かなとも思います。
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