意外に知らない!?社保源泉という税金をご存じですか!?【社会保険診療報酬】
出演:
・医療特化の税理士 中村 節子(中村会計事務所 代表)
・江戸堀サンテクリニック 古谷 鉄夫 院長
中村:
Dr開業コンシェルジュ
本日のテーマは「思ってもみなかった資金繰りの詰り」
医療特化の会計事務所
税理士の中村です
古谷:
江戸堀サンテクリニック院長
古谷です
中村:
先生が初めて開業されたときに
事業計画立てて
3ヶ月くらい、4ヶ月くらいでこのくらいの社保は入るな~っと
順調に行きだしましたよね
たとえば
30万点くらい、月上がったとしたら
金額で言うと
社保300万の売上です
国保は別にして
社保で300万の売上で
3割は患者さんお手元置いて行かれるんで
7割の210万円が2ヶ月後に入るだろうと思っていると
ここから引かれるのが社保源泉というやつですね
「そんなこと聞いてなかった」という
古谷:
そうです、まったく知りませんでした
中村:
今の計算でいくと
20万円位社保源泉という形でとられちゃうんですね
スタートしてまだ間もないのに
20万とか
もっと上がってきたら30万、40万も無理やりさきに
税金お預かりって事で
ドクターが開業する前
勤務の時代で言うと
支払総額があって
源泉所得税とられて
市民税とかとられますけど
その源泉所得税に当たるようなものが
事業しているにも関わらず
まだ儲かっていないにも関わらず
先にお預かりしておきます~というのがありますので
1年くらい(借入金)返済の支払い猶予があるんならばまだその間にというのがあるんですけども
半年くらいで(借入返済を)払い始めようかなという時には
返済猶予が止まって
20万、30万の返済金が始まる
プラス
20万、30万の源泉所得税がとられるとなると
思ってもみずに、なかなか資金繰りが狂ってくるな
古谷:
最初は、大して利益も上がってないですし
創業費があるので
赤字に決まってるのに
知らないうちにお金とられてるんですよね
中村:
そうなんですよね
給料もらってるうちは赤字はあり得ないんで
まぁいいかという事なんですけども
事業の場合はどうしても
最初は(利益が)上がらない
払うものは順調に出ていく
給料待ってくださいっていうわけにはいかず
仕入れの方もそのまま払っていかないといけないというか
むしろ最初は全種類入れないといけないんで
ものすごい損してる感があるんですよね
入ってくる点数は少ない
払う金額はやたら、どんどん出ていって
来月ご飯どこから出せばいいだろう…
古谷:
そうですね
中村:
生活費が出ないという状態のところから
20万、30万税金下さいとか言われたら
もう、ふざけんなよって感じですよね
古谷:
後で決算で返ってくるとは言ってもですね
結局目先のお金があまりない時期なので
開業して最初はですね
さらに最初一年で終わりじゃなくって
その先もずっととられて
徐々に売上あがっていけば、あがっていくほどとられてるので
中村:
そうですね
先にお預かりしておきま~すって感じなので
「後で払うって、ちゃんと払うから、先にとるな」と言いたいんですけども
一応、社会保険診療報酬だけに関しては
国保はいいって言うのも妙なんですけども
古谷:
そうですよね
中村:
それに関してはお預かりするようにという税法のルールがありますので
順調な事業計画を進んでいっても
資金はそれだけストップ?しますよという事
後は事業計画の時に
売上原価 お薬と検査が何%と入れますけども
資金的には、入ってくるより先に出したりとかありますので
そのあたりの資金繰りも
ここでドンと落ちますよとか、先に織り込んでおかないと
なぜか毎月毎月残高が減っていくというのは結構あります
古谷:
そうですね急に患者さんが増えると
かなり資金繰りが厳しくなりますね
中村:
そうですね
先生のところは検査とか多いから
増えたら増えた分翌月には検査代かかりますし
古谷:
検査もそうですが
院内処方が結構あるので
薬の仕入れた分も翌月には払わなければいけない
それまでに社保のお金が入ってこないんですね
中村:
そうですね
1ヶ月後に
薬は翌月払います
社保は2ヶ月後
おまけに、社保源泉お預かりって事されちゃうと
その分先生が飲まないといけないって事ですね
ご自信のお手元に資金を持っておかないといけないという事なので
何故かお金が足りないのは
ひょっとしてこの事業計画というか根本的に間違っているのではないか
という事で心配になってきますので
銀行に出すには利益はここまで上がりますよ
というのでいけばいいんですけど
お手元で計算するときには
ここですごくしんどくなりますから
手元置いといてくださいねというアドバイスは
古谷:
売上が伸びるというのは凄くいい事なんですけども
順調に少しづつ伸びてくれれば、問題はないのです
多分、おそらく、いきなり伸びる時が必ずあるので
そこですごく厳しくなりますね
中村:
心配になりますよね逆に
前月より何故残高が減ったんだ、と
古谷:
これだけ売上伸びたのに?と思うんですよ
中村:
この調子で伸びていったら
もっと貧乏になっていくわ…となっちゃうので
その辺のことはよくよく先に
会計上お手伝いしてくれる税理士・コンサルさんでも
ここでめちゃめちゃしんどくなるかもしれないので
そこまでの資金はお手元用意してくださいね
っという事は聞かれたほうが良いかな
あと、人件費とかは
最初からそこそこの人数要りますもんね
奥様と2人でいけるんならいいんですけども
普通は、看護師さん雇うとか
受付さん雇うとかなると
その人たちに、”売り上げに応じて”とかそんな
歩合給制の受付とか看護師さんはあまり居ないので
となると、最初から普通の世間相場の金額を払いましょう
下手したら、入ってしばらくしてボーナス時期になると
「あれ?ボーナスは?」とかって仰る場合もありますので
古谷:
そうですね
それは最初からちゃんとお話しておいた方が良いですね
中村:
もちろん利益がずっと上がってきたら
税金に渡すよりかは
一緒にやる皆さんにお渡ししたいと思いますけども
世間が、夏はボーナス!冬はボーナス!と言われても
スタート時点はちょっとしんどいと思います
古谷:
そうですね
中村:
その代わり順調になってきたら
それなりにシステムを組んできちんとお支払いしたいし
という事を伝えておいた方が
古谷:
少なくとも1年目
できたら2年目くらいまでは
ボーナス無しで。ってお話しておいた方が
いいんじゃないのかなと思います
中村:
思いのほか上がってきたら
お支払いはさせて頂きますので
最初からそれを織り込んでの年俸とは思わないで欲しい、と
でないと、いらないトラブルになると
途中で人が換わるとなると
また募集経費とか掛かってきますし
しんどいですしね
今日行けない
今日辞めるとか言われたら
変動費というか
固定費はね、家賃とかは最初お約束した分しかとられませんし
水道代、電気代とかは決まったようなもんなので
変動費の一番大きいのがその
売上原価ですね
薬、検査代、先に払わなければいけない
プラス、
まだ利益をカバーできないのに払わなければいけない人件費
その2つくらいは最初から気を付けていかれたらいいかなと思います。