個別指導を受けないために普段から行うべき対策は何ですか?

個別指導は、クリニックが保険診療を適正に行っているかを確認するための重要なプロセスです。
しかし、これを未然に防ぐためには、なぜ個別指導の対象として選ばれたのか?を検討することが必要です。
以下に、個別指導の選定条件と、選定から回避するために普段から行うべき対策をまとめました。

1. 情報提供

個別指導に選定される理由の1つ目は、第三者からの情報提供です。

情報提供者は、患者さんはもとより、元従事者、現従事者、審査支払機関などがあります。
従事者の中には、当然(元)勤務医が含まれます。
情報提供されるということは、少なからずトラブルになった経過がある場合が多いように思われます。
特に診療報酬関連のトラブルが情報提供に結び付くことが想定されます。
診療報酬に関係するトラブルがあった際には、診療報酬のルール(エビデンス)に基づいたロジカルな説明とディスカッションを行い、双方が十分に納得できる解決方法を探りましょう。

また、そもそもとしまして、適切な保険診療等を行っていることが大前提です。
例えば、カルテの記載は、日常診療において最も基本的かつ重要な部分です。
日々の診療では、診療内容、処方、検査結果などを正確かつ詳細に記載し、必要な情報を漏れなく記録することが大切です。
特に、診療報酬請求に関連する内容は、要件をしっかりと確認し、カルテに反映させるよう心がけましょう。

2. 再指導

個別指導に選定される理由の2つ目は、個別指導(新規を含む。)の結果、再指導になった場合です。

個別指導(新規を含む。)を受けた結果(評価)でありますことから、医療機関側も把握しているものと思われますし、再指導となった理由も把握しているものと思われます。
先ずは最初の個別指導の結果を精査し、改善しましょう。
次回の個別指導では、前回の個別指導において指摘事項となった内容は改めて確認されるのは当然ですが、それ以外の内容も確認されます。
保険診療等について網羅的に、かつ、定期的に診チェックし、不適切な部分がないかを確認することが重要です。

3. 高点数

個別指導に選定される理由の3つ目は、高点数になった場合です。

診療報酬明細書(レセプト)の平均点数が自身の都道府県の平均点を超えた場合、個別指導に選定されることがあります。
高点数の定義や実際に個別指導になるまでのスキームは割愛しますが、どうしても個別指導を受けたくない場合は点数を下げるしかありません。
一方、経営的観点等の様々な理由から点数を下げれない事情がある場合には、将来、個別指導が実施されることを見越した対策が必要と思われます。

4. 外部専門家の活用

外部の専門家やコンサルタントを活用し、保険診療の内容や診療報酬請求の適正性を定期的にチェックしてもらうことも有効です。
第三者の視点で内部の改善点を指摘してもらうことで、内部では気づきにくい問題を早期に発見でき、指導を避けるための対策を講じることができます。

5. 日々のチェックリストを活用

最後に、日常的に保険診療の内容や請求内容を確認できるチェックリストを導入することも効果的です。
これにより、カルテ記載や診療報酬の確認作業を日常業務に組み込み、ミスを未然に防ぐことができます。