個別指導は、クリニックが適切に保険診療を行っているかを確認するための重要なプロセスです。
過去の個別指導でよく指摘された事例をまとめ、今後の指導に備えるためのポイントをお伝えします。
- カルテ記載の不備
最もよく指摘されるのは、カルテの記載漏れや不備です。
たとえば、診療行為の詳細や薬剤の処方内容、患者の症状が正確に記載されていないケースが多く見受けられます。
特に、初診時のカルテが不十分で、検査や処置の理由や内容が明確でない場合や必要な事項の記載が無い場合、算定要件を満たしていないと判断されることがあります。
対策：診療内容や治療方針、処方の理由を細かく記載し、診療報酬請求の根拠が明確になるよう心掛けましょう。
- 診療報酬の不適切な請求
次に多いのが、診療報酬の不適切な請求です。過去の指導では、診療報酬点数を誤って請求していたり、不要な検査や治療が含まれていたケースがありました。
特に、医学管理等、検査の算定ミスはよく指摘されます。
対策：診療報酬の算定基準を正しく理解し、スタッフ全員で請求内容を定期的にチェックすることが大切です。
- 指導内容の改善が見られない
再指導が行われるクリニックの中には、前回の指摘事項が改善されていない場合があります。
これは、過去に指摘された問題点を適切にフィードバックし、日々の診療に反映させていないことが原因です。
対策：過去に指摘された内容をクリニック全体で共有し、改善策を実施するための具体的な手順を設け、定期的に進捗を確認しましょう。
- スタッフの認識不足
最後に、スタッフが指導の内容や算定要件を十分に理解していないために、カルテの記載や診療報酬の請求に問題が生じることがあります。
特に、複数のスタッフが交代で診療を行う場合、情報の共有が不十分であれば、誤解やミスが発生しやすくなります。
対策：スタッフ全員に対して、算定要件や個別指導の目的を定期的に教育し、日々の診療に反映させるための研修を行いましょう。
過去の個別指導で指摘された事例を把握することで、クリニックの運営に役立てることができます。
適切な準備と日常的な管理を徹底することで、指導の際の不安を軽減し、スムーズな対応が可能となるでしょう。
