新規個別指導で聞かれることは?徹底解説 元厚生局職員が解説

新規個別指導で聞かれることは?徹底解説

こんにちは
元厚生局職員の鈴木です。(メディカルオネスト 代表)
クリニックを経営されている院長や事務長の皆様、初めての新規個別指導を迎えるにあたり、どのような質問が来るのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新規個別指導で聞かれることを中心に解説し、どのように準備すればよいかを具体的にお伝えします。

新規個別指導は、特に初めて経験する方にとって、どのように対処すればよいか不安がつきものです。
そこで今回は、実際に新規個別指導でよく聞かれる質問や、その背後にある意図、またそれに対する適切な対応策について徹底的に解説いたします。
これにより、指導への準備が整い、スムーズに対応できるようになるでしょう。

  1. 新規個別指導で確認されるカルテの内容

新規個別指導では、まず患者10人分のカルテが確認されることが標準です。
このカルテ確認が、指導の中でも重要なポイントです。指導担当者は、カルテに記載されている情報だけでなく、記載されていない部分についても質問してきます。

例えば、診療行為がカルテに記載されていない、あるいは記録が不足している場合、次のような質問が想定されます。

  • 「なぜこの診療行為が記録されていないのですか?」
  • 「診療のプロセスが不明確ですが、なぜカルテに記載されていないのですか?」

このような質問は、カルテの不備や記載漏れが算定要件を満たしていない可能性があることを意味します。
算定要件を守ることは、診療報酬請求の基盤となるため、記載漏れがあると指摘され、場合によっては不適切な請求とみなされるリスクがあります。

  1. 「書いていない理由」を聞かれるリスク

新規個別指導では、カルテに書いてある内容だけでなく、書いていない理由が聞かれることがあります。
これは特に危険な兆候です。書いていない理由を尋ねられる場合、それは指導担当者が算定要件を満たしていないのではないかと疑っていることを示しています。

例えば、ある診療行為や治療が実施されたにもかかわらず、そのプロセスがカルテに記載されていない場合、次のような質問が来る可能性があります。

  • 「なぜこの記録が残っていないのですか?」
  • 「この診療行為の記録がないのは、どのような理由ですか?」

これに対して、適切な回答ができない場合、指導者から「算定要件を理解していない」と判断されることがあります。
記載漏れは単なるミスのように見えるかもしれませんが、その裏には重要なルールが存在しています。

  1. 算定要件の理解不足が招くリスク

新規個別指導では、算定要件を理解しているかどうかも大きなポイントとなります。
例えば、次の2つのケースを考えてみましょう。

  • ケース1:算定要件を理解しているが、うっかりカルテ記載を忘れてしまった場合。
  • ケース2:そもそも算定要件を知らず、カルテ記載が必要だと認識していなかった場合。

どちらもカルテに記載がないという事実は同じですが、指導担当者の印象は大きく異なります。
ケース1では、記載漏れがミスであることを説明し、改善策を提示すば大きな問題にはなりにくいですが、ケース2では「基本的な算定要件を理解していない」という判断を下され指摘を受ける場合がありますし、新規個別指導の結果が再指導になる可能性が高まります。

  1. 算定要件の膨大な量

新規個別指導を前にして、すべての算定要件を完璧に理解し、実行することは大変な労力を要します。
実際、算定要件に関する告示と通知は医科だけでも約1,000ページに及びます
これをクリニック運営と並行して完全に把握することは非常に困難です。

このため、多くの院長や事務長が新規個別指導に向けて準備を進める際、算定要件に不安を感じるのも無理はありません。
しかし、これを怠ると、指導当日に不適切であることを指摘され、適切な診療報酬の請求ができないという評価を受ける可能性があります。

  1. 新規個別指導で失敗しないための準備

では、どうすれば新規個別指導で適切な対応ができ、成功するのでしょうか?
以下に、成功のための準備のポイントをまとめました。

  1. カルテの記載内容を再確認する

新規個別指導の準備として、まずは患者10人分のカルテを徹底的に見直すことが重要です。
必要な情報が漏れなく記載されているか、特に算定要件に関連する部分が適切に記載されているかを確認しましょう。

  1. スタッフ全員の協力体制を整える

院長や事務長が一人で対応するのではなく、クリニック全体でカルテの記載方法や指導の準備について共有し、理解を深めることが大切です。
スタッフ全員が一丸となって指導に備えることで、当日の対応がスムーズに進みます。

  1. 外部専門家の助言を得る

算定要件の膨大さ、複雑さを考えると、外部の専門家の助言を活用することが最良の手段です。
第三者の視点からカルテの不備を指摘してもらうことで、指導当日の指摘を未然に防ぐことが可能です。

  1. 最後に

新規個別指導で重要なのは、事前準備を徹底し、指導当日に自信を持って対応できる状態にすることです。
算定要件を理解し、カルテの記載を漏れなく行うことが、適切な診療報酬請求の基盤となり、指導の成功へと繋がります。

もし、新規個別指導に関して不安や疑問がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。私は元厚生局職員として、数々の個別指導をサポートしてきた実績があります。
クリニックの運営に最適なアドバイスを提供し、スムーズな指導対応をお手伝いします。

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