クリニックのための新規個別指導対策:成功への道 元厚生局職員が解説

クリニックのための新規個別指導対策:成功への道

こんにちは
元厚生局職員の鈴木です。(メディカルオネスト 代表)
クリニックを運営する院長や事務長の皆様へ。新規個別指導に対する不安や疑問を解消し、確実な対応をサポートするために、本記事では成功への道筋を示します。
特に、初めての個別指導を迎える方にとって重要なポイントをわかりやすく解説していきます。

1. 個別指導とは?「監査」との違いを理解する

まず、個別指導の基本的な概念を押さえましょう。
個別指導の正式名称は「都道府県個別指導」といい、これは行政指導の一つとして行われるものです。ここで大切なことは、「個別指導」と「監査」は全く異なるプロセスであるという点です。

よく「個別指導が入る=監査が入る」と混同されがちですが、これは誤解です。
個別指導はあくまで保険診療に関する指導であり、その目的はクリニックが適切に保険診療を行っているかを確認し、改善が必要な場合には指導(指摘)アドバイスを行うことです。
一方、監査は法的な調査であり、重篤な違反や不正行為が疑われる場合に行われます。

この違いを理解することが、指導に対する心構えを整える第一歩です。
個別指導では、健康保険法や指導大綱といった保険診療に関連するルールが適用されますが、その遂行方法は行政手続法に基づいて行われます。


2. 新規個別指導の結果と「成功」とは?

今回の記事のタイトルにもある「成功」とは、何を指すのでしょうか?
これは、新規個別指導の結果がどの評価に該当するかによって決まります。
指導の結果としては、次の4つの評価が挙げられます:

  1. 概ね妥当
  2. 経過観察
  3. 再指導
  4. 要監査

成功の指標となるのは、「概ね妥当」または「経過観察」の評価を受けることです。
これが、新規個別指導における「成功」の定義です。

一方で、「再指導」や「要監査」の評価を受ける場合は、多く改善が必要とされることや不正または著しい不当が疑われた場合等を意味します。
特に「要監査」に至るケースは非常に稀ですが、もしこの評価を受けた場合、クリニックの運営に対して深刻な懸念が示されていることを示唆します。


3. 新規個別指導で成功するためのポイント

では、具体的にどのようにすれば「概ね妥当」や「経過観察」と評価され、成功とみなされるのでしょうか?
ここでは、成功に導くための具体的なポイントをお伝えします。

1. カルテの整備と記録の正確性

カルテは個別指導の際、最も重要な資料の一つです。
カルテには患者の治療内容や状態が正確に記録されている必要があります。
記載漏れや不正確な情報があれば、これが指摘され再指導や要監査につながる可能性があります。
特に、診療報酬請求の算定の適正さもカルテに基づいて確認される場合があるため、注意が必要です。

2. 診療報酬請求の適正化

新規個別指導においてよく指摘されるのは、診療報酬の算定に関する問題です。
誤った理解や不適切な算定が行われていないか、日常的にチェックすることが必要です。
特に、新しいクリニックは診療報酬の取り扱いに不慣れな場合が多いため、定期的に確認することが重要です。

3. クリニック全体の連携と理解

新規個別指導は、クリニック全体で対応することが求められます。
院長や事務長が指導の準備をするのはもちろん、スタッフ全員が一丸となってカルテ記載や診療報酬の適正化に取り組む必要があります
スタッフ全体がこのプロセスを理解していない場合、当日に混乱を招くことも少なくありません。

4. 事前のシミュレーション

実際に指導が行われる際には、短時間で大量の資料や情報がチェックされます。
そのため、事前に指導の流れをシミュレーションしておくことが大切です。
事前準備としてスタッフと共にシミュレーションを行うことで、当日の対応に余裕が生まれ、不測の事態にも冷静に対応できるでしょう。


4. 成功への近道:再指導を避けるために

再指導や要監査を避けるための最善策は、事前準備と日々のクリニック運営におけるチェックの積み重ねです。
以下の具体的な対策を取り入れることで、指導が成功し、再指導や要監査を避けることが可能です。

1. 定期的なカルテチェック

カルテを定期的に確認し、記載内容に不備がないかを確認する習慣をつけることが重要です。これにより、指導直前に焦ることなく、準備を進めることができます。

2. 外部専門家のアドバイスを受ける

外部の専門家に依頼して、カルテや診療報酬請求の方法をチェックしてもらうことも有効な手段です。
第三者の視点で指摘を受けることで、クリニック内では気づかなかった問題を発見でき、再指導を避ける予防策となります。


5. 最後に

新規個別指導は、特に初めての経験となるクリニックにとって大きなプレッシャーです。
しかし、適切な準備と日々の管理体制を整えることで、その不安を解消し、「概ね妥当」や「経過観察」といった成功評価を受けることが可能です。

もし、この記事を読んで不安や疑問点が浮かんだ方は、ぜひお気軽にご相談ください。
私は、元厚生局職員として数多くのクリニックの個別指導をサポートしてきた経験があります。
クリニックに最適なアドバイスを提供し、指導がスムーズに進むよう全力でサポートいたします。

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